真夏の死

彼は変わり果てていた。

やはり死んでいるんだろうか。

僕は、逝ってしまった彼に会った。

彼と交わす言葉を僕はもう持ち合わせてはいない。

それを感じとってか、

もしくは不細工な会話による悲劇を避ける為なのか、

彼は大きな瞳を開き、

その漆黒の中へと僕を誘った。

彼はその内にかつて滾らせたマグマのような朱を

己の名誉のために流してきたことを僕に思い出させた。

彼は何時でも辞めることが出来たはずなのに。

彼は太陽と生きて真夏に死んだ。

僕は彼を堕とした空にすがった。

彼が流してきたものが道を作り、

いずれその道を歩む者が現れますようにと。

桑嶋維