極光 / 作家より

極光

ネオンは人々の欲望の証とも言える。

欲望を人は止められるのだろうか?

元来、欲望は人に備え付けられた至上命題である

「生きる」ということを実行させる原動力である

ために、自ら止めることは困難だろう。

だが、「死」はそれを止める。

存在を消滅させてしまうということで「死」は

全てを「無」に還してしまう。

人は必ず訪れる死を恐れるが故に、沈む太陽が作る、

闇と明日との壁に穴を開け始めた。

欲望の強さだけ闇に光が広がり、欲望の数だけ

闇に光の色が溢れる。

街では人と共に光が密集し、かつての空へと

積み重ねられて行く。

宇宙(そら)に散在した星は陽が登るまで

共に明かす「明かり(アカリ)」であったが、

今はもうこの街にはいない。

君や僕が包まれている光は全ての明かりを消し去る

究極の光になった。

定まらない時流に翻弄されながら立ち昇ってゆく

僕らの街の光はまるでオーロラだ。

揺れ動く街のオーロラを見たいのなら、

その瞳を閉じたほうがいい。

きっと君の瞼の中でそれはより煌めいている。

なぜなら、すべて幻だから。

桑嶋維